『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』
(クルアーン第9章119節)
ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---
説教208
アミール・アル=ムウミニーンが教友アル=アラー・イブン・ズィヤード・アル=ハーリスの
健康を尋ねて訪問した際、その家の大きさを指摘した。
あなたにはこの家が必要だが来世ではもっと必要になるのだが、このような大きな家をこの世でどうするのか。来世にもって行きたいなら、この家の中で客を歓迎し、血族に思いやりを表し、彼らの付加利子にすべての(あなたの)義務を果たしなさい。こうすることで、あなたは来世にもって行くことができる。
アル=アラーが言った。
おお、アミール・アル=ムウミニーンよ、わたしの兄弟アースィム・イブン・ズィヤードのことであなたに訴えたいことがある。
アミール・アル=ムウミニーンが尋ねた。
彼がどうしたのか?
アル=アラーが言った。
彼は羊毛の外套を着て、世間と断絶している。
アミール・アル=ムウミニーンが尋ねた。
彼
を連れてきなさい。
彼がやって来たとき、アミール・アル=ムウミニーンが言った。
おお、自分自身の敵よ、確かに悪魔はあなたを誤り導いた。あなたは妻と子供が哀れではないのか? アッラーが合法とされたものを使うとかれに嫌われるとでも思っているのか? アッラーにとってあなたはつまらぬ者ではないのだから、そのようなことはなさらない。
彼が言った。
おお、アミール・アル=ムウミニーンよ、あなたも粗悪な服を着て、粗末な食事をしている。
アミール・アル=ムウミニーンが返答した。
あなたの上に災いあれ。わたしはあなたのようではない。誠に、崇高なるアッラーは、貧者が
自分たちの貧しさを嘆かないように、貧しき者と同等の生活を真の指導者への義務とされたのである。