『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教204 

アミール・アル=ムウミニーンに忠誠を誓った後でタルハとアッ・ズバイルが 自分たちに
相談がなく(国家の)問題において自分たちの援助を求めなかったと 苦情を言ったときの返答。


あなた方二人は些細な事で不機嫌になり、重要なことは考慮しない。わたしがあなた方の権利を奪ったり、あなた方に当然与えられるべきものを妨げたり、ムスリムの誰かがわたしに苦情を申し立てたときにわたしが判定できなかったり、それを無視したり、それに関して過ちを犯したことはあったか?

アッラーにかけて。わたしはカリフを望んだことも政府に関心を抱いたこともなかったのに、
あなた方自身がわたしをそれに招き、それのために用意をさせた。カリフの地位がわたしの
許にやって来たとき、神の書およびその書でアッラーが我々のために御定めになったこと、
判定するために命じられたことのすべてを、わたしは自分の見解に保った。
そして、わたしはそれに従い、また預言者―彼とその子孫の上にアッラーの祝福あれ―が
彼のスンナとして定められたことはどんなことでも実践した。このことでは、わたしはあなた方からも他の誰からも助言を必要としない。また、わたしが無知であなた方やムスリム兄弟に相談しなければならないような命令は何もなかった。もしもあったのであれば、わたしはあなた方や他の人びとを退けるようなことはしなかっただろう。

(ムスリム公庫の)平等な分配に関するあなた方の疑問であるが、このことでわたしは自分の見解で決定しているのでもなければ、気まぐれで行っているのでもない。預言者―彼とその子孫の上にアッラーの祝福あれ―が運んでこられたことは最終決定であることをわたしは知っているし、あなた方もわかっているはずだ。
したがって、分配に関してはアッラーが御定めになり、その決定は下されていることなので、
あなた方に相談する必要を感じなかった。アッラーにかけて。この件に関してあなた方二人や他の者をえこひいきすることはしない。アッラーが我々とあなた方の心を誠実に保たれますように。我々とあなた方に忍耐を与えてくださりますように。

それからアミール・アル=ムウミニーンはこう付け加えた。

真実を見てそれを支持する者の上に、不正を見てそれを拒んだ者の上に、不正の道にいる者に対して真実を支える者の上に、アッラーの御慈悲がありますように。




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