『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教155 

アーイシャに生じた敵意について
バスラ市民へのこれから起きることの警告


今、この時、アッラーにすがれる者はそうしなさい。
わたしに従うなら、アッラーの御意思があれば、確かにわたしはあなた方を天国の道に運ぶ。たとえ厳しい困難と苦しみを味わうことになろうとも。

あの女性に関しては、彼女は女性にふさわしい見解に握られて、鍛冶屋の炉のように、敵意が彼女の腸で煮えくり返っている。わたしを扱うように他の者を扱うよう頼まれてもそうしなかっただろう。これから先も彼女はもとのように尊敬されるのを許されるだろうが、(彼女の誤った行為を)認めるのはアッラーに対する義務である。



同じ説教より


この道は一番明るい通り道であり、一番明るい灯火である。
善行への導きは信仰を通じて求められる。
信仰への導きは善行を通じて確立される。
知識は信仰を通して栄える。死は知識によって恐れられる。
この世は死で終わる。来世はこの世(の善行)で確保できる。
人びとは復活から逃れられない。
最終地点にこの定められた道を通って向かっているのである。



同じ説教より


彼らは墓場の、休息の場から起き上がり、最後の目的地に出発した。
各家にはその住民がある。彼らは変えられないし、そこから移されもしない。
善を行い、悪を避ける命令は、栄光のアッラーの二つの特色である。
彼らは死を近くに持ってくることも、糧を減らすこともできない。

あなた方は神の書にしがみつかねばならない。
それは頑丈な綱、明白な光、役立つ治療、喉の渇きの癒し、固守する者への保護、慕う者への救出である。ごまかしはなく、まっすぐにさせる必要はない。逸らすことはなく、正す必要はない。それが頻繁に繰り返されて耳に入っても、古くなったりしない。それに従って話す者は真実を語る。それに依って行為する者は前に進む。

男が立ち上がって言った。 おお、アミール・アル=ムウミニーンよ、この混乱について聖預言者から聞かされていたのか話してください。

この時、アミール・アル=ムウミニーンが言った。

栄光のアッラーはこの節を啓示された。

アリフ・ラーム・ミーム
人びとは、「わたしたちは信じます。」と言いさえすれば、試みられることはなく、放って置かれると考えるのか。(聖クルアーン29章1−2節)

預言者―彼とその家族の上に神の祝福と平安あれ―が我々の中におられるかぎり、そのような混乱は降ってこないことを知った。
それでわたしが「おお、神の使徒よ。至大なるアッラーの御告げがあった混乱とは何ですか?」と言うと、彼はこう言われた。「おお、アリーよ。わたしが去った後、我が民は災難を引き起こす」 わたしが「おお、神の使徒よ。ウフドの日、人びとは殉教したのにわたしはその一人にならなかったので悩んでいたら、『がっかりするな。この後にあなたも殉教する』と言われましたが」と言うと、彼が「その通り。だが、今の忍耐はどうしたのか?」と言われたので、わたしはこう言った。「おお、神の使徒よ。これは忍耐の時ではなく、励ましと感謝の時です」すると彼はこう言われた。 「おお、アリーよ。人びとは彼らの富で悪影響を及ぼし始める。信仰をもつという理由で
アッラーへの義務を示し、かれの御慈悲を期待し、かれの御怒りからは安全だと思い、誤った疑惑と欲望のせいで非合法のことを合法とみなすようになる。酒を麦水と呼んで合法とし、
賄賂を贈り物と呼び、高利貸しの利子を売り上げと呼ぶ」
わたしは言った。「おお、神の使徒よ。そのとき、わたしは彼らをどう扱えばよいのですか? 
背信したとみなすのか、ただの反乱とみなせばよいのですか?」
彼はこう返答された。「反乱である」




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