『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、（言行の）誠実な者と一緒にいなさい』

（クルアーン第９章１１９節）




　ナフジュル・バラーガ　Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム･アリー･イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教137　

未来の出来事　


彼は欲望を導きの道に向かわせるが、人びとは導きを欲望に向けてしまうだろう。
彼は彼らの見解をクルアーンの方に向けるが、人びとはクルアーンを彼らの見解に向けるだろう。



同じ説教より

神に従わせる人〈注1〉が現れる前に、物事は悪化して、あなた方の間で十分そろった勢力の
戦いが起きる。歯をむき出し、乳房には甘い乳がいっぱいなのに、その先は酸っぱい。
用心せよ。明日は来る。その明日は、すぐにあなた方の知らないことを携えてやって来るだろう。この群衆からではない、委任された権限をもつ人が、以前に悪行で任じられた人たちのすべてに任務を課し、地上はその秘めた財産を注ぎ出し、大地の鍵を彼の前に容易に放り投げる。彼はあなた方に公正な行いを示し、人びとの間で死んでいたクルアーンとスンナを復活させる。



同じ説教より

わたしには彼が見えるようである。悪に従わせる人〈注2〉が、シリアで叫んでいる。
クーファの郊外に彼の軍旗が延びる。雌駱駝に噛みつかれたように、彼は軍旗に傾いて曲がっている。彼は地上を頭で埋めた。彼の口は大きく開き、地を踏む足は重い。彼の進撃は広範囲にわたり、激しく攻撃する。

アッラーにかけて、彼は地上の隅から隅まであなた方を四散させ、目につけたコール墨（アイシャドー）のように、あなた方のほんの少数が残る。あなた方はアラブ人が正気に戻るまでこのようなことを続ける。だから、あなた方は確立された道、明瞭な印、初期の時代の預言者の、永続する美徳にしっかりしがみついていなさい。悪魔はあなた方が彼のすぐ後に続くように、悪魔の道を容易に進むということを知れ。


〈注1〉12代目イマーム・アブドル・カーシム・ムハンマド・イブン・アル＝ハサン・アル＝マフディーの再臨についての予言。

〈注2〉アブドル・マーリク・イブン・マルワーンのことで、彼は父マルワーン・イブン・アル＝ハカムの後、そしてムサービ・イブン・アッ・ズバイルと対峙してアル＝ムフタール・イブン・アビー・ウバイド・アッ・サカフィーが殺された後、シリアで権力を持つようになり、イラクに侵攻した。
クーファの外でムサービ勢力と衝突して勝った後、クーファに侵攻し、その住民に忠誠を誓わせた。それからアル＝ハッジャージ・イブン・ユースフ・アッ・サカフィーをアブドッラー・イブン・アッ・ズバイルとの戦いでメッカに送った。その結果、この男はメッカを包囲し、何千人という罪無き人々を殺した。彼はイブン・アッ・ズバイルを絞首刑にして殺した。




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