『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教143 

預言者の任命 


アッラーは預言者を代理とされ、啓示で彼らを区別なさった。
かれに対する被造物の嘆願として預言者たちを創造されたのである。
それで、人びとには一切の言い訳は残らない。
彼は誠実な舌を通じて人びとを正道に招待した。
アッラーは創造を完璧に御存知であられるということをあなた方は知らなければならない。
被造物が隠している秘密や胸の内を御存知ないのではなく、誰が善行する者かを
試すためである。それで、善行に関しては報酬があり、悪行に関しては懲罰がある。



アフルル・バイト(聖預言者の家の人びと)の地位


我々に対立して、深い知識が備わっていると不正の偽りの主張をする者たちはどこにいるのか。 アッラーが我々の位階を高めて彼らを低くされ、我々に知識を授与されたが彼らからは
取り上げ、我々を知識の要塞に入らせたが彼らを閉め出されたというのに。
導きは我々を通じて求められ、我々を介して(誤りの導きの)盲目が輝きに変えられたのである。誠に、イマーム(聖指導者)はクライシュ族出身である。彼らはハシム家を介してこの系列に置かれた。この仕事の長は他の者には適さず、他の者はこの仕事の長に適さない。



同じ説教より
アフルル・バイトを敵対する人びとについて


  彼らはこの世を選び、来世を放棄した。清い水を残し、臭い水を飲んだ。
彼らの中の悪人〈注〉が不正行為をし、彼らと関わり、その友となり、 性質が彼らに染まって
白髪になるまで彼らと関係するのが目に映るようである。彼は激流のように泡を立てながら、
或いは、麦わらが火で燃えるように、自分で何を燃やしたのか気づかないままで前に進んで行った。

導きの灯火から光を求める知性、敬虔さの光塔を見つめる眼はどこか? 
アッラーに専念し、服従に捧げる心はどこか? 
彼らは皆、この世の空虚に群がり、非合法のことで喧嘩する。
天国と地獄の旗は彼らのために掲げられているのだが、彼らは天国から顔を背け、 彼らの行為の瑕によって地獄に向かった。アッラーは彼らを御呼びになったが、彼らは嫌って逃げた。
だが悪魔が呼べばそれに応じ、(悪魔に)向かって行くのである。



〈注〉アブド・ル・マリク・イブン・マルワーンのこと。彼はその役人アル=ハッジャージュ・イブン・ユースフ・アッ・サカフィーによって残虐行為を行った。




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