『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教154 

コウモリの素晴らしい創造について 


アッラーに称賛あれ。アッラーに関する本質を説明するのは不可能である。
かれの偉大さが思考を制限するので、かれの領域の極限に接近する方法をみつけることは
できないからである。アッラーは真理であり、真理を証明する御方である。
かれは眼で見えるよりも本物であり明らかである。
知性はかれを限定させるので理解できず、かれに形があると考える。
想像力はかれを計量で定めるのでかれを捉えられず、かれに体があると考える。
かれはいかなる見本も、助言者の助言も、援助者の援助もないで創造された。
被造物はかれの命令で完了し、かれに服した。かれに応じ、反抗しなかった。
服従し、抵抗しなかった。

かれの精巧な創作、素晴らしい創造、深い聡明さの例は、コウモリにみることができる。
昼の明りは何もかも明らかにさせるのだが、昼間は隠れている。
夜はどの生き物も黙らせるのに、夜に動きまわる。
太陽の光は動きを助け、なじみの場所へ方角を示してくれるものだが、なんとコウモリの目を
くらませることか。

アッラーは太陽の明るさの中でコウモリを動けなくさせ、隠れ場所に閉じ込めた。
そのため昼間は瞼を閉じたままだが、夜を灯火にして食べ物を探して動く。
夜の暗闇がコウモリの視界を妨げることはなく、薄暗さが動きを妨げることもない。
太陽がそのベールを外して朝日が現れ、光線がトカゲの穴に差し込むとすぐにコウモリは瞼を閉じ、夜の暗闇で集めてきたもので生活する。コウモリが糧を求める夜を昼とさせ、日中を休息の時とされたアッラーに栄光あれ。

アッラーはコウモリに翼を与え、必要なときに飛べるように創造した。
コウモリは羽や骨のない耳たぶのようにみえるが、もちろん血管がくっきりとみえる。
二つの翼は薄すぎないので曲がりながら飛ぶことができ、厚すぎないので重くない。
飛ぶときはコウモリの子がしがみつき、避難場所を探す。
降り立つと子も一緒に降り、飛び上がると子も一緒に飛び上がる。
子は体が丈夫で翼が飛べるようになり巣の場所を見分けられるようになるまでは親から離れない。誰かの創造した見本に従わずに創造された御方に栄光あれ。




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