『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教114 

雨を求める 



おお、アッラーよ! 誠に山々は干乾び、大地は埃っぽくなった。
家畜は喉を乾かせ、囲み込まれてとまどっている。
死んだ息子のことを悲しむ母親のようにうめき声を出している。
牧草へ行くことに疲れて水場を探している。
おお、我がアッラーよ! うめき声のうめきに、切望する切望に御慈悲を与え給え。
おお、我がアッラーよ! 牧場の家畜の戸惑いに、通過する道に、うめきに御慈悲を与え給え。

おお、アッラーよ! 干ばつの年が痩せた駱駝の群れのように押しかけてきて、雨雲が我々を置き去りにしたとき、我々は貴方に向かった。貴方は苦しむ者の希望、求める者の援助であられる。人びとが希望を失い、雲が拒まれ、家畜が死んだとき、我々は貴方を呼ぶが、我々の行為のためにそれを差し押さえるとか、我々が犯した罪のために我々を捕らえることはなさらない。雨雲と雨の恵みによる開花と見事な植物によって枯れ果てたすべてに生命を取り戻させ、途方にくれたすべてを回復させて我々の上に貴方の御慈悲を広げ給え。

おお、アッラーよ! 生命を与え、満足させ、完全で、広く行き渡らせ、浄化し、この上なく幸福で、豊富で、活気づける雨を与え給え。(その雨で)植物は繁茂し、枝は果実で満作となり、葉は青々とする。弱っていた被造物を再び活気付けて、貴方の町の枯れていたものを蘇らせる。

おお、アッラーよ! 高地が緑の植物で覆われ、小川が流れ、我々の側に植物が育ち、果実が実り、葉を緑にさせ、家畜が栄え、遠くまで水が行き渡り、干乾びた地域がその恩恵を受けられるよう雨を与え給え。苦しむ宇宙と野生動物への限りなき恩恵と計り知れない授与と共に。
土砂降りの、継続する大雨を我々の上に注ぎ給え。そのとき、ひとつの雨季が別の雨季とぶつかり合い、一滴の雨がもう一滴の雨を押す(ひっきりなしに降る)。人を騙すような稲妻ではない。その頬に雨が落ちないことがなく、白い雲は散らばらず、小雨ではない。
だから飢餓に襲われても豊富な植物で繁栄し、干ばつで襲われても無上の幸福で蘇る。
誠に、人びとが希望を失った後、雨を注いで御慈悲を広げ給うのは、保護者であり称賛される御方。




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