『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教184 

アッラーの称賛と見事な被造物 


アッラーに称賛あれ。五感で認知されず、場所に収容されず、目で見えず、覆いで覆われることのない御方に。かれはその永遠性を被造物の存在によって証明され、
被造物の起源によってかれの存在を証明なさる。また、かれには類似するものは何もないことを、被造物の(互いの)類似によって証明なさる。かれの約束に偽りはない。被造物に対して不公平であられるには高貴すぎる御方である。かれは公平に被造物の間に立ち、命令においては被造物に対して正義を行われる。かれが創造したものを通じて、かれが絶えることなき存在なのを証明し、被造物が無能であることの印によってかれの偉力を証明し、死に対して被造物は無力であることによって、かれの永遠性を証明なさる。

かれは唯一の御方であるが、数えてそうなのではない。かれは無限に永続される御方であられる。かれはいかなる助けもなく存在する御方であられる。心は五感を使わずにかれを認める。目に見える物はかれに立ち向かうことなくかれに誓う。かれは想像力に包まれることがない。かれに助けられた想像力でかれは想像力に現れ、また想像力に想像されることを拒む。(このことでは)想像力を仲裁人とされた。かれが偉大であるのは、量や体の大きさといった意味ではない。かれが偉大なのは、かれの限界が最高に達するとか、かれの枠が広大であるという意味においてではない。位階および権威において偉大なのである。



聖預言者に関して


ムハンマドはかれの僕、選ばれた預言者、かれの責任を担った信託者であることを証言する。彼とその家族の上に神の祝福あれ。アッラーは彼を否定できぬ証拠、明白な結果、開かれた道と共に遣わされた。それで彼は教えを運んでその真理を宣告した。彼は民を正しい近道に
導き、導きの印と光塔を確立させ、イスラームの綱を強固に、またその結び目を固くさせた。



同じ説教より
生物の種の創造


彼らがかれの偉力がいかに偉大で、かれの恵みの深さを熟考していたならば、正道に戻って火獄の懲罰を恐れていたであろう。だが、心は病で蝕み、目は汚れていた。彼らは創造された小さな生物を見なかったのか? いかにその組織を強固なものにし、視聴覚を与え、骨と皮を御造りになったかを。あの小さくて繊細な生体の蟻を見よ。とても横目では見ることができず、想像力を働かせても理解できない。それがどうやって大地を動いて食料にありつくのか。
穴に粒を運び、棲みかに貯蔵する。冬のために夏に集める。弱くなる時期のために力ある間に。蟻の糧は保障され、適切に食べる。親切な御方、アッラーはそれを忘れず、与える御方、
アッラーは乾いた石や動かない岩の中であろうとそれを奪ったりしない。

上下の消化器官、腹の甲殻、頭についた目と耳について考えてみれば、その創造に驚愕し、
説明を困難に感じるであろう。それを足で立たせ、(胴体を)支えにさせたのは至高の御方であられる。これの起源にかれ以外は関与しておらず、これの創造でかれに助力できる力をもつ者はいない。あなた方の想像力の道を踏んでその極限に達しても、どこにも導いてはくれない。
蟻の創造者がなつめやしの創造者でもあるということ以外には。すべてに同様の精巧さと細やかさがあり、あらゆる生き物にはわずかの違いがあるからである。



宇宙の創造


かれの創造の、大きなもの、精巧なもの、重いもの、軽いもの、強いもの、弱いものはすべて
平等である。空と空気と風と水も同じである。太陽、月、植物、水、石、この夜と昼の違い、湧き出る小川の流れ、山々の夥しい数、その頂上の高さ、多様な言語とさまざまな民族を見てみよ。これでも定める御方を信じず、支配する御方を否定する者には災いあれ。彼らは自分たちを耕作する者がいない草のように、また多種多様に造った者がいないかのように信じる。
彼らは自分の主張に対して頼れる論拠が何もなく、また聞いたことの調査を信頼しない。
構造者がいないのに何かを構造できるだろうか。違反者がいないのに違反できるだろうか。



イナゴの見事な創造


望むならイナゴに関してもいえる。アッラーは二つの赤い目を与え、それに二つの月形のもので明るくさせた。瞳孔のように。小さな耳を造り、それにふさわしい口を開かせ、鋭敏な感覚を与え、噛めるように二つの歯を与え、しっかりつかめるように二つの鎌のような足を与えた。
農民が団結してもそれを追い払えず、作物のことでイナゴを恐れる。イナゴは農園を攻撃して(空腹の)欲望を満たす。その体は細い指にも匹敵しないというのに。



アッラーの栄光


アッラーに栄光あれ。かれの前では天地のすべての者がいとわずに或いはしぶしぶとひれ伏し、砂埃を頬と顔につけて服し、穏やかに謙虚に(服従して)伏せ、畏れと憂いを完全に抑制してかれに向かって手を広げる。

鳥はかれの命令に従うよう定められている。かれは鳥の羽の数も呼吸の数も御存知であられる。水上や地上に立つことができるような足を御造りになり、鳥の糧を御定めになった。
これはカラス、これは鷹、これは鳩、これはダチョウ、と、鳥の種類を御存知であられる。
それぞれの鳥の名を呼んで(創造され)、それの糧を御定めになった。かれは厚い雲を創造してそこから大雨を降らせ、さまざまな土地に広め、乾燥した土地を雨で浸し、不毛の後の土地に植物を成長させた。




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