『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




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説教1  

天地創造とアーダムの誕生に関する説教


アッラーに称賛あれ。かれの価値は話し手の言葉で描写することができない。
恵み深さは計算者によって数えることができない。
(服従の)要求を試みても満たすことができない。
知勇の極みは感謝することができない。理解しようと飛び込んでも到達できない。
描写に限界がなく、賛美は存在せず、時間に制定されず、継続期間の定めがない。
かれの全能が創造し、かれの慈悲が風を吹かせ、揺れる大地を岩石で安定させた。

信仰の第一はかれを認識することにある。完全な認識はかれへの証言である。
完全な証言はかれの唯一性を信じることである。唯一性を完全に信じることは、かれを
純正とみなすことである。純正の完璧さは、属性の否定にある。
いかなる属性もそれを帰属されたものとは異なり、何かを帰属されたものは属性と異なるということを、各属性が証明しているからである。
従って、アッラーに特性を帰属させる者はかれの類似を認める。
類似を認める者はかれが2つであるとみなす。2つとみなす者はかれに部分があると認める。 部分を認める者はかれを誤解する。誤解する者はかれを指差す。指差す者はかれの限度を
認める。限度を認める者はかれを数える。

かれが何かの中に在ると言う者はかれを包囲している。
かれが何かの上に在ると言う者はかれが別の何かの上には不在だと考える。
かれは存在するが、存在を生じさせる現象を介してではない。
かれはあらゆるものと存在するが、物理的な近さではない。
かれはあらゆるものと異なるが、物理的な区別ではない。
かれは行為するが、動作や手段の含意はない。
かれの被造物には何も見えなくても、かれは見ている。
かれは唯一であるから、何かと一緒であったり、何かの不在で不足があったりしない。




宇宙の創造

かれは最初に創造に着手された。かれの創始に熟考、実験、運動の導入、野心は伴わない。あらゆるものに時間を割り当て、差異を合わせ、それらに特性を与え、性質を定めた。かれは創造する前にそれらを知り、限界と制限を完全に承知し、傾向と細部を認識した。

創造主は大気の孔、天空、風の層を創造し、そのなかに水を注いだ。その波は荒々しく、ひとつの大波が次の波に押し寄せる。その上に突風とすさまじい暴風を乗せ、雨になって落ちるよう命じ、激しい雨を風に支配させ、限界をわからせた。その下に風が吹き、上には水が激流する。

次に創造主は外へ向かう風を創造し、風の動きに独創性を与えず位置を永続させ、激しくさせて遠くに広げた。それから風に命じて海水を巻き上げさせ、海の波を荒くさせ、かき回した凝乳のように風が波をわき返らせて天空を激しく突いた。前方の波が後方に制動されて高さが上昇するまで流れが静止すると、海面は泡でいっぱいになった。それから泡を宙に上げて天空に上昇させ、そこから七つの天を創造し、低い方の天を動かないうねりとし、高い方の天を保護の天井とし、支柱や釘のない殿堂にした。それを星と流星の輝きで装飾し、輝く太陽と光る月を公転する空の下、回転する天井、巡る天空にぶらさげた。




天使の創造

次に、かれは天の間に開き口を創り、あらゆる階層の天使で満たした。この中には平伏して頭をあげない天使、ひざまずいて立ち上がらない天使、整列したまま不動の天使、アッラーの称賛に疲れない天使がいる。これらの天使は、目を閉じて眠ったり、分別を失ったり、体に倦怠を覚えたり、物忘れに影響されたりしなさい。

アッラーの御告げを信託された天使、預言者たちの舌となり仕える天使、かれの指令と禁止命令を運んで往来する天使がいる。かれの被造物の守護者、楽園の扉の見張りがいる。足は地上に固定されているが首は天に突き出て、翼がどの方面にも出て、肩は玉座の支えに沿い、その前で目を伏せた天使たちもいる。彼らはその下で翼を広げて互いに敬礼し、崇拝の幕と偉力の帳に敬礼する。彼らは創造主を姿で捉えない。かれに被造物の特性を帰属させない。かれを居所に制限しない。挿絵でかれを指さない。




アーダムの創造

アッラーは、硬く、柔らかく、甘く、酸っぱい土を集め、混じりけがなくなるまで水に落とし入れて粘土状にし、湿らせて粘着性がでるまで捏ねた。曲線、関節、肢、部位をつけながら形に彫り、一定の時間、乾かして固めた。それから聖霊を吹き込んで人間の形にした。それは心に支配され、知性を使い、それに仕える肢、状態を変える臓器、真実と不実の判断力、味覚、嗅覚、色、形態により出来上がったものである。この人間は、さまざまな色の泥、粘性のある物質、そして熱・冷、柔らかい・硬いといった正反対の異なる性質の混合である。

それからアッラーはかれの約束を守ってかれの誉れ高い位階に服従させた。禁止命令の服従を誓約させるために天使にサジダを命じた。アッラーはこう仰せになった。 「アーダムにサジダしなさい。皆サジダしたがイブリースだけは拒否した」 (クルアーン2:34、7:11、17:61、18:50、20:116)

 自尊がイブリースを制し、不道徳が彼を圧倒した。そのためイブリースは自身が火で創造されたことを自慢し、泥で創られた被造物を軽蔑した。そこでアッラーはその御怒りがイブリースに完全にふさわしいものとなるまで、また人間の試練を完全にさせて(悪魔に)約束したことを満たすために、しばらく猶予した。それでアッラーはこう仰せになった。 「あなたを猶予しよう。定められた日時まで」(クルアーン15:38、38:81)

この後、アッラーはアーダム(彼の上に平安あれ)を安全に暮らせる棲家に住まわせた。イブリースの敵意を警告した。敵(イブリース)は、アーダムが天国に住み高潔な者たちと接するのに嫉妬しえ、アーダムの信念をくじかせ確信を弱めた。こうして幸福を恐怖に、信望を恥に変えた。それでアッラーはアーダム(彼の上に平安あれ)に懺悔の機会を与え、御慈悲の言葉を彼に教え、天国に戻れることを約束して試練の場に送り、子孫を産ませた。




アッラーによる預言者たちの選択

アッラーは彼(アーダム)の子孫から預言者を選び、かれの啓示に誓約させ、信託者としての伝道を誓わせた。時の流れの中で、人びとの多くはアッラーの信託者に背を向け、かれの位階を無視し、かれに同輩を並べた。悪魔は彼らがアッラーを知らないでいるように、アッラーを信仰させないように遠ざけた。それでアッラーは神の使徒を遣わせた。被造物に誓約を守らせ、かれの恩恵を思い出させ、熱心に勧告させ、叡智の隠れた徳を明らかにさせ、また全能の印、すなわち頭上の天と足下の大地と、持続のための生きる手段と、彼らを消耗させる死と、老いさせる病と、彼らが向かう出来事を示すために、一連の預言者を遣わせた。

アッラーは代理である預言者を、かれの下した啓典を、拘束する道理を、ずっと効力のある哀願を、被造物に与えぬままにはしなかった。使徒たちは数が少なくても、嘘吐きが多くても、ちっぽけに感じたりしなかった。使徒は、今後従わせるために任命する先任者か、先任者に紹介された従者かのどちらかであった。




ムハンマドの預言者性

このようにして時代が経過しながら、父たちは亡くなり息子たちが継承した。この繰り返しの後、アッラーは御約束を守り、預言者の完了としてムハンマド(かれとその子孫に平安あれ)を預言者に任命した。預言者たちは誓約していた。彼の特質は評判で、誕生は尊ばれた。この時点で地上の人びとは異なる党に分断し、目的は分離し、道は分岐した。人びとはアッラーとその被造物を好むか、かれの御名を損なうか、かれ以外のものを求めるかであった。アッラーはムハンマド(かれとその子孫に平安あれ)を介して彼らを過ちから導き、彼の努力によって無知から救出された。

それから、ムハンマド(かれとその子孫に平安あれ)が現世に留まるにはあまりにも高貴な人であるから、アッラーは彼からこの世の試練を取り除くことに決めて、かれに近づかせることを選び、かれとの面会を定めた。それでアッラーはその栄光を彼に与え、御許に引寄せた。アッラーは彼とその子孫の上に祝福を注がれる。




聖クルアーンとスンナ

預言者は、ほかの預言者がその民に残したのと同じものをあなた方にも残した。預言者たちは、明瞭な道と、押し立てられた旗すなわち神の書を示さぬままで、人びとを暗黒の中に置き去りにはしない。神の書は、許可と禁止、義務と裁量、判定の無効と廃止、容認事項と義務事項、特定事項と一般事項、教訓と実例、長きものと短きもの、明白と不明を明瞭にさせ、省略されたことを詳説し、難解な事を明確にさせる。  神の書には、義務となる知識と、人びとの無知が許される知識とを含む節がある。義務にみえても預言者の言行(スンナ)により無効とされ、預言者の言行では義務にみえても神の書が不履行を許した節もある。一定の期間は義務だった後で義務でないとする節もある。また禁止も様々である。火獄の脅威が待つ大罪もあれば、御赦しを請うことのできる軽い罪もある。また(アッラーに)受け容れられるにはごく一部でよくても、発展させるのが可能なものもある。




ハッジに関する説教

アッラーはあなた方にかれの聖なる家への巡礼(ハッジ)を義務とされた。動物や鳩が湧き水に向かうように、それは巡礼する者にとっての節目である。栄光のアッラーは巡礼を、かれの偉大さへの哀願の印とし、かれの荘厳さの認識とした。かれの呼びかけに応じて御言葉を証言する人びとを、被造物の中から御選びになった。彼らは神の玉座を囲む天使たちのように、預言者の場所に立ち、信仰の実践のあらゆる益を確保し、約束されたアッラーの御許しに急ぐ。栄光のアッラーは聖なる家をイスラームの象徴とし、救いを求める人びとの敬意の対象とした。かれは巡礼を義務とし、あなた方に課せられた責任としてその要求を宣言した。拠って、栄光のアッラーはこう仰せになった。

この家への巡礼は、そこに赴ける人びとに課せられたアッラーへの義務である。背信者があっても、まことにアッラーは万有に(超越され)完全に自足されておられる方である。(3章97節)




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