『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教142 

雨を求める祈り 


用心せよ。あなた方を支える大地と、あなた方を陰らせる空は、その維持者(アッラー)に従順である。天地はあなた方への哀れみや好意でその祝福をあなた方に与えているのではない。あなた方からの見返りを期待するからでもない。天地はあなた方の上に益を与えるよう命じられてそれに従っているのであり、あなた方に役立つことを保たせるよう求められているのでそうしているのである。

誠に、アッラーは果実を減らし、祝福を控え、善の宝庫を閉じて、被造物を試そうとされる。
それで、悔悟を望む者は悔悟し、悪から退きたい者は退き、(忘れていた善を)思い出したい者は思い出し、悪から遠ざかりたい者は遠ざかることができる。
栄光のアッラーはかれに悔悟を求めることを、生きる糧と慈悲を人びとに注ぐための手段とされたのである。かれはこう仰せになった。

……『あなたがたの主の御赦しを願え。本当にかれは、度々御赦しなされる。かれは、あなた方の上に豊かに雨を降らせられ、あなたがたの財産や子女を増やし……』(聖クルアーン71章10‐12節)

  悔悟し、罪悪を捨て、死(の前に善行すること)に急ぐ者の上にアッラーは御慈悲を注がれる。

おお、アッラーよ! 家畜や子供が泣いて、貴方の御慈悲を求め、寛大なる恵みを希望し、
懲罰を恐れるとき、我々は(家の)幕の外に出て貴方の許に向かった。
おお、アッラーよ! 我々をがっかりさせずに雨水を与え給え。干ばつの歳月で我々を死なせないでください。我々の愚か者が犯した罪のために罰しないでください。おお、すべての御慈悲の御方よ。

おお、アッラーよ! 七つの害が我々を襲ったとき、干ばつに追いやられたとき、苦難で無力になったとき、 やっかいな災害が絶え間なく降りかかってきたとき、隠されていないことで貴方に訴えるために、我々は貴方に向かって出て行った。
おお、アッラーよ! 我々をがっかりさせたまま後戻りさせないでください。顔をうつむかせて戻らせないでください。我々の罪を厳しく問われませんように。我々の行為に応じて対処されませんように。

おお、アッラーよ! 御慈悲と祝福と生活手段と哀れみを我々の上に注ぎ給え。
そして、我々を益し、喉の渇きを癒し、すべて失われた後で蘇らされる緑の草を生育させ、枯れたすべてを蘇らせる飲み水を我々に享受させ給え。それは新鮮で豊富な果実をもたらす。
大平原は灌漑され、川が流れ始め、植物は葉を茂らせ、報酬が降るだろう。
誠に、貴方の御望みにあることは何であれ偉大である。




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