『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』
(クルアーン第9章119節)
ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---
説教178
ジルリーブ・アル=ヤマーニがアミール・アル=ムウミニーンに
アッラーを見たことがあるかと
尋ねると、「見たことのない御方をわたしは信仰するのか?」と返答したので、彼が「どうやって見たのですか?」と尋ねると、
アミール・アル=ムウミニーンはこう返答した。
目が面と向かってかれをみるのではない。
心が信心の真実を通してかれを悟るのである。
かれは事物に近いが、(物理的な)隣接ではない。
かれはそれらから遠いが、(物理的に)離れているのではない。
かれは語り手だが、思案によってではない。
かれは意図されるが、用意によってではない。
かれは御作りになるが、身体の助けによってではない。
かれはとらえがたいが、隠れているからではない。
かれは偉大だが、高慢を属性にもつからではない。
かれは見ておられるが、視力があると考えてはならない。
かれは慈悲深いが、心の弱さを属性にもつからではない。
かれの偉大さの前では、顔は卑しく感じられ、心は畏怖で震える。