『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教146 

聖預言者を神の代理とする目的ならびに
人びとがクルアーンに反する時の状態  


アッラーは偶像崇拝から人びとを連れ出してかれを信仰させ、悪魔に服従することから
引き離してかれに服従させるために、ムハンマド(彼とその家族の上に神の祝福と平安あれ) を真理と共に遣わせ、アッラーが説明し強化したクルアーンを送った。
人びとがかれについて無知だったので、自分たちの維持者(アッラー)を知ることができるように。 人びとがかれを拒んでいたので、かれを認識できるように。
人びとがかれを信じることを拒否していたので、かれを受け容れるように。
(人びとがそうであったのは)栄光のアッラーは彼らには見えないでその書を介して御示しに
なったからである。かれの偉力を手段とし、その支配力に彼らを畏怖させることで。
いかにアッラーは処罰で御望みの者を破壊させたことか!
 いかにアッラーは懲罰で御望みの者を破滅させたことか!



未来に関して


   誠に、わたしの後、その時があなた方の許にやって来る。
真実ほど隠されたものはなく、不正ほど明らかにされたものはない時代が。
アッラーとその預言者に対しての不実ほど世の風潮はない時代が。
そのような時代の人びとにとっては、なされるべきクルアーンの朗誦くらい無価値なものはなく、クルアーンが不適切な位置に置かれることほど値打ちのあるものはない。
町々では何よりも善徳が嫌われ、何よりも悪行が受け容れられる。

この書を手にする者はそれを捨てる。この書を暗記する者はそれを忘れる。
そのような時代には、クルアーンとその人びとが追放される。
彼らはその道の上を仲間となって一緒にいるのだが、誰も彼らに避難所を与えない。
その結果、クルアーンとその人びとは、人びとの中にいても彼らの一人ではなく、人びとの中にいても彼らと共にはいない。
誤った導きと(正しい)導きは、どんなに一緒にいても調和できないからである。
人びとは分裂において統一するので共同体から引き離され、まるで彼らがクルアーンの指導者のようであり、クルアーンが彼らの指導者ではないかのようである。彼らにクルアーンが残ってもクルアーンの名は残らない。彼らはクルアーンに書かれた言葉が何もわからない。
そうなる前に、彼らは美徳の人びとに困難を与え、アッラーに関する真実の見解を嘘だと主張し、美徳の人びとを悪行の人びとが処罰する。

あなた方以前の人びとは欲望を引き伸ばし、自身の死を忘れて死んだ。
もう口実の許されない約束の出来事が彼らの上に降りかかるまで。
悔悟が拒まれて懲罰を受けるまで。



アフルル・バイト


おお、皆の者よ、アッラーの助言を求める者は導きを確保し、アッラーの御言葉を導きとして
採用する者はさらにまっすぐなものに向かわされる。
アッラーを愛する者は安全を感じ、アッラーを敵対する者は恐怖を感じるからである。
かれの偉大さを知る者はその偉大さを推測するのにふさわしくない。
だが、かれの偉大さを知る者の偉大さは、彼らがかれに誓ってそれを知っていることにあり、
かれの偉力が何かを知る者の安全はかれへの服従にある。
健康な人が疥癬の人を恐れるように、健全な人が病人を恐れるように、真実を恐れて離れてはならない。

導きを放棄したのが誰かを知らない限り、あなた方は導きを知ることはできないということを知れ。 誓いを破ったのが誰かを知らない限り、あなた方はクルアーンに誓うことはできない。
クルアーンを見捨てたのが誰かを知らない限り、あなた方はそれにしがみつくことはできない。 こういったことはそれを保持する人びとから求めなさい。彼らは知識の泉、無知の死である。
彼らがあなた方に指示することに彼らの知識は開示される。彼らの無言に彼らの語る能力が示される。彼らの外見に内面が示される。彼らは神の教えに反することがなく、それに関して見解を異にすることがない。真実の目撃者と無言の語り手は彼らの中にいる。




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