『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』
(クルアーン第9章119節)
ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---
説教66
預言者の逝去後、バヌ・サイーダのサキーファで起きたことの知らせがアミール・アル=
ムウミニーンの許へ届き〈注〉、アンサールが何を言ったかを尋ねた際、人びとが彼らと
ほかの中からそれぞれ一人を求めているとの返答に対する言葉。
あなた方はなぜ彼ら(アンサール)に反論しなかったのか。アンサールの善良な人は良く扱い、悪い人は許されねばならないのだと預言者の遺言があることを。
人びとが言った。「彼らの主張のどこに反対されるのですか?」
アミール・アル=ムウミニーンが言った。
「政府が彼らのためにあるというのなら、遺言は彼らの好むことではなかった」
そして続けて言った。
「クライシュは何を誓ったのか?」
人びとが言った。
「彼らは預言者の直系の木に属すると主張しました」
アミール・アル=ムウミニーンが言った。
「木で議論したが、彼らは果実を腐らせたのだ」
*
和訳者注:(サキーファすなわちバヌ・サイイダの集会場での出来事に関しては、特に『預言者ムハンマドの兄弟イマーム・アリー』第三部「三代カリフ時代のイマーム・アリー」の16章「アブー・バクル後継者就任」、『アルムラージャッアート(正しい道)』の書簡80を参考にされたい。)