『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教26

預言者宣言以前のアラビア


アッラーはムハンマド〈彼とその家族の上に神の祝福と平安あれ〉を全世界のための警告者、そして啓示の信託者として遣わされた。その頃、あなた方アラビアの人びとは、最悪の教えに従い、でこぼこの石と毒蛇の中に住んでいた。汚い水を飲み、不潔な食べ物を食べていた。互いの血を流し、縁者の面倒をみなかった。あなた方の間では偶像が定着し、罪があなた方にしがみついていた。




同説教での聖預言者逝去後の人びとの思慮深さに関して


わたしには自分の家族以外に援助者がいないことがわかった。だからわたしは彼らを死に押し付けることを控えた。人びとの塵(欠点)に目を閉じていた。喉が詰まっても飲み込んだ。困難が息をしても辛抱した。食事に酸っぱい瓜(コロシント)を食べねばならなくても辛抱した。




ムアーウィヤとアムル・イブン・アル=アースの和議に関する部分


彼(アムル)は彼(ムアーウィヤ)からの支払いを受け取るまで誓約しなかった。誓約の買い手に成功はない。売主の協定は屈辱を受けるだろう。今、あなた方は戦いの武器を手にとって準備すべきである。その炎は色を増し、高く燃え上がっている。忍耐という衣を身につけなさい。勝利のためには最善である。〈注〉



〈注〉ナフラワンに向かう前の説教からの三箇所である。一番目の部分では預言者宣言以前のアラビアの状態、二番目はアミール・アル=ムウミニーンが沈黙を保つしかなかった理由、三番目はムアーウィヤとアムル・イブン・アル=アースの協定と二人の間の会話について述べている。アミール・アル=ムウミニーンは誓約を守らせるためにジャリール・イブン・アブドッラー・アル=バジャリーをムアーウィヤの許に派遣するが、ムアーウィヤは返答を口実に彼を拘束した。この時、シリア人がどれだけ彼を支援するかを試し、ウスマーンの復讐を扇動して成功させた。兄弟ウタバ・イブン・アビー・スフヤーンに相談したところ、「この件にアムル・イブン・アル=アースが関与しているのであれば、機敏な彼がこの問題をほとんど解決させるだろう。だが彼は要求額を受け取るまではあなたの支配を簡単には受けいれないだろう。その準備があるなら彼は最高の相談役となって支援するだろう」と提案した。ムアーウィヤはこの提案を好み、アムルと話し合い、ウスマーン流血の責任をアミール・アル=ムウミニーンに負わせて復讐するのであればエジプトでの知事職を与えると約束した。シリアでの権威のためにムアーウィヤは手段を選ばなかった。両者はこれに同意した。




  説教27









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