『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教47

クーファの苦難について


おお、クーファの住民よ、わたしにはあなた方がウカーズィ〈注1〉のなめした革のようにやつれているのが見える。あなた方は苦難で窮地に陥り、厳しい困難に捕らわれている。わたしは確かに知っている。〈注2〉暴君の誰かがあなた方に害悪を試みる時は、アッラーがその者を不安で悩ませ、殺人者に彼を投げ付ける(誰かに殺させる)のを。




〈注1〉 イスラーム以前の時代に、毎年、メッカの近くで市場が開かれていた。そのほとんどは革の取引がなされていたのでウカーズと呼ばれていた。売買だけでなくアラブ人の交流の場でもあり、詩の朗読を競い合う場でもあった。イスラーム時代になると、ハッジ(巡礼)という形のもっと優れた集まりの場となり、このような市場は姿を消した。

〈注2〉 このアミール・アル=ムウミニーンの予言の一語一句は実際に起きた。
暴虐行為と迫害(抑圧)に支配者と共に手を染めた人びとがどのような無残な結末に直面したか、また彼らが殺人行為でどのように破壊したかを世界が目撃した。
ズィヤード・イブン・アビー(父不明の息子)の終焉はこうだった。アミール・アル=ムウミニーンの誹謗中傷の説教を行おうとした時、突然、麻痺状態となって倒れたまま、二度と起き上がることができなかった。ウバイドッラー・イブン・ズィヤードがしでかした虐殺の結末は、癩病となり、やがて血に飢えた者の剣によって死に追いやられた。アル=ハッジャージ・イブン・ユースフ・アス・サカフィーによって、腹の中から蛇が這い出すという宿命を負い、過酷な痛みの後で死んだ。ウマル・イブン・フバイラ・アル=ファザーリは白斑で死んだ。ハーリド・イブン・アブドゥッラー・アル=カスリーは監獄で苦しみ、過酷な方法で殺された。ムサーブ・イブン・アッ・ズバイルとヤジード・イブン・アル=ムハッラブ・イブン・アビー・スフラも剣で斬られた。




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