『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教39

戦いに怯む人びとへの非難


わたしは命令しても従わず、呼んでも応じない人たちと向き合っている。あなた方に父親がいなくなるように!(災いあれ!)アッラーの目的のために立ち上がるのに何を待っているのか? 信仰があなた方を団結させるのではないのか? そうでないなら、恥の意識が目覚めさせるのではないのか? わたしはあなた方の中に立って叫び、援助を求めているのだ。
しかし、あなた方は状況が悪化するまでわたしの言葉を聞かず、命令に従わない。あなた方を通じて報服される血はない。あなた方によって達成される目的はない。同胞の援助を呼びかけたのに、あなた方は腹を痛めた駱駝のように騒ぎ、やせ細った背の駱駝のようにだらしなかった。その時、怖気づいて弱まった派遣部隊がわたしの許に来た。「丁度死を見ていながら、それに向かって追い立てられるかのように」(クルアーン8章6節)




〈注〉ムアーウィヤはアイヌット・タムルを攻めるためにヌッマーン・イブン・バシール率いる兵士2千人の派遣部隊を送った。この場所はクーファに近い、アミール・アル=ムウミニーンの防御基地で、マーリク・イブン・カァブ・アル=アルハビーの指揮下にあった。戦闘員は千人いたが、その時に居合わせたのは百人だけだった。マーリクは敵部隊がこちらにやって来るのに気づき、アミール・アル=ムウミニーンに援助を求めた。伝言を受け取ったアミール・アル=ムウミニーンは人びとに援助を求めたが、応じたのはわずか3百人のみであった。彼は愛想をつかして人びとへの警告としてこの説教をした。
説教の後、家に戻ると、アディー・イブン・ハティム・アッターイがやって来て「信者の司令官よ、バヌ・タッイーの千人はわたしの指揮下にあるので、御望みなら命じて派遣させますが」と言い、アミール・アル=ムウミニーンは「一部族だけが敵に対峙するのはよくないのだが。ヌファイラの丘に部隊を準備しなさい」と応えた。そこで彼は人びとに聖戦を呼びかけ、さらに千人が応じて集まった。彼らが準備中、マーリク・イブン・カァブから敵を撃退したので援助は不要との伝言が届いた。

撃退できた理由はこうだった。クーファからの援助軍が間に合わないときのために、マーリクが急いでアブドッラー・イブン・ハワーラ・アル=アズディーをカラザ・イブン・カァブ・アル=アンサリーとミフナフ・イブン・スライム・アル=アズディーに援助を求めに行かせたのだが、カラザからの援助は得られず、ミフナフがアブド・アッ・ラフマーン・イブン・マフナフ率いる五十人の援助に同意し、一団が夕刻までに到着した。それまでに2千人の敵はマーリク軍の百人を倒せないでいた。五十人の兵士を目にしたアル=ヌッマーンは敵勢力がこちらに向かっていると思い込み、戦場から退散した。この時、敵は撤退していたがマーリクは背後から敵三名を攻めて倒した。




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