『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 




説教2

スィッフィーンからの帰還時の説教
預言者宣言以前のアラビア


アッラーの祝福の完了を求めて、アッラーの栄光に伏して、罪を犯すことから安全を望んでアッラーを称賛する。アッラーの十分なる御守護の必要に、かれの援助を求めて祈る。かれに導かれる者は道を逸脱せず、かれに憎悪される者に御加護はない。かれに支持される者は貧窮したままではない。最も荘厳なる御方、最高の価値に称賛あれ。

証言する。アッラーのほかに神はない。かれに比類するものはない。わたしの証言が誠実であることは試された。この証言は、信心(イマーン)の礎石であり、善行と神の御満悦への第一歩であるから、我々を圧倒する苦難に面しても、この証言の真髄は必ず保たれよう。これは悪魔を遠ざける手段である。

証言する。ムハンマド(彼とその子孫に祝福あれ)はかれの僕であり預言者である。アッラーは、すばらしい宗教と、感銘を与える象徴と、記録の書と〈注1〉、燦然とした光と、まばゆい微光と、決定的命令と共に彼を遣わせた。疑惑を取り除いて明瞭な証を示し、印で訓戒し、懲罰を警告するために。そのとき人びとは不道徳に陥っていた。宗教の手綱は破壊され、信仰の柱は揺らぎ、理念は冒涜され、制度は混乱し、開き口は狭まり、通路は暗く、導きは未知で、暗黒が広がっていた。

アッラーに服従せず悪魔が支持され信仰は放棄されていた。その結果、宗教の柱は倒れ、足跡を見つけることができず、通路は破壊され、道はぼろぼろだった。人びとは悪魔に服従してその道を踏んだ。彼らは悪魔の水場から水を求めた。彼らを介して悪魔の標章がなびき、不道徳の旗が掲げられた。人びとは悪魔の足に踏みつぶされた。不道徳は彼らのつま先に立ち、それに浸った人びとは道に迷い、あたかも悪しき隣人をもつ良き家〈注2〉に居るかのように困惑し、無知で、そそのかされた。眠りの代わりに目が冴える。この矛盾に彼らは目に涙をためた。彼らは、学識者が(口を閉じたまま)抑制され、無知の者が尊ばれる大地なのだった。



注1:保護された記録。
注2:良い家とはメッカ、悪い隣人とはクライシュ族の不信心者を指す。







アミール・アル=ムウミニーン(信者の司令官)は同じ説教の中で
アール・アン・ナビー(聖預言者の家族)を言及した


彼らはかれの秘伝を信託された人びと、かれの営みの避難所、かれに関する知識の源泉、かれの叡智の中軸、かれの書のための渓谷、かれの教えの山である。アッラーは彼らをもって宗教の背の歪みをまっすぐにして、肋骨の振せんを取り除いた。







同じ説教で似非信者について語った


彼らは不道徳という種を蒔き、偽りという水をやり、破壊という収穫を得た。預言者の子孫(アール・ムハンマド)と同等の人はイスラーム共同体にはいない。彼らの義務下にある者が彼らと対等ではありえない。彼らは宗教の土台であり信仰の柱である。前方の走者は彼らを振り返り、後を従う者は彼らに追いつかねばならない。彼らには代理人としての主な特徴がある。彼らを支持することで、(預言者の)遺言と継承が存在する。今は権利を所有者に返上し、その中核が方向転換する好機の時である。





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