『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教13

バスラ市民への非難〈注1〉


あなた方は四足に指揮された、(一人の)女の軍隊だった。それが不平を言えばあなた方は応じ、それが負傷すれば(腱が切れたら)あなた方は逃げ出した。あなた方は品性が低く、誓約を破った。あなた方の信仰は似非信者のそれである。あなた方の水は塩からい。あなた方に従って行動する者は罪に苦しむが、あなた方を放棄する者はアッラーの御慈悲を確保できる。
わたしには見えるようだ。あなた方の傑出するモスクは船上に似ている。アッラーがその上からも下からも懲罰を送り、その船に乗る者は誰もが溺れる。〈注2〉

別の伝承
アッラーにかけて。あなた方の市は確かに浸水する。モスクの上部は船か座っている駝鳥のようであるのがわたしには見える。

別の伝承
深海に浮く一羽の、鳥の腹のようである。

別の伝承
あなた方の市は、その土について言うと、どこの市よりも最悪の悪臭を放ち、水に一番近く、天から一番遠い。そこには10分の9の悪がある。この市に入る者は自分の罪に包囲され、その市から出て行く者はアッラーの御許しを享受する。あなた方の住まいがわたしには見えるようだ。水に飲み込まれ、みえているのはモスクの最上部のみである。まるで深海に浮かんでいる鳥の腹のようである。




〈注1〉 イブン・マイサムが記している。ジャマルの戦い(駱駝の戦い)が終って3日後、アミール・アル=ムウミニーンはバスラの中央モスクで朝の礼拝をした後、礼拝場所の右側に立って壁にもたれかけてこの説教をした。バスラ市民の人格の低さ、ずるさを述べた。つまりバスラ市民は自身について考慮することなく他者に扇動されて駱駝に乗る一人の女の司令を許したのである。忠誠の誓いを立てた後で破り、卑劣な品性と二心のある腹黒さを露わにさせた。この説教の女はアーイシャのことで、四足とは駱駝(ジャマル)のことである。この戦いはジャマル(駱駝)の戦いと呼ばれた。

〈注2〉イブン・アブー・アル=ハディドが記している。アミール・アル=ムウミニーンが予言した通り、バスラは二度の洪水に見舞われた。一度目はアル=カーディル・ビッラーフの時代、二度目はアル=カーイム・ビ・アムリッルラーの時代で、洪水の状態はまさしく説教にあったように市全体が浸水し、モスクのてっぺんだけが水面から突き出ていたので、鳥が腹を下にして座っているような光景だった。



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