『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




説教23

嫉妬を遠ざけ親族に善行することについて


さて誠に、神聖なる命令は雨の滴のように天から大地に落ち、たっぷりでも僅かでも定められたものはすべての人にもたらされる。だから、あなた方の中で子孫や富や自身に恵まれた兄弟を見た者は、その兄弟のことで悩んではならない。そのことが明らかにされて恥じ入った目を向けると下劣な者は励まされるが、ムスリムがそのような行為をせぬ限りは、彼は最初に放った矢で益を得ることを期待し、以前の損失を隠そうとする賭博者のようである。

同様に、不正から離れるムスリムは、二つのどちらかの吉報を望むものである。アッラーの御呼び。アッラーがなさることはどんなことも最善である。(もう一つは)アッラーからの生計手段。この人はすでに子供と財産を持つが、同時に信仰と尊厳も備わっている。誠に、子孫と富は現世の農園であり、高潔な行為は来世の農園である。ときにアッラーはある一団にこの両方を合わせて御与えになる。

アッラーの警告には用心しなさい。弁解の余地がないほどアッラーを畏怖せよ。行為には他者に聞かせようとする意図や装いがあってはならない。誰かのために行為をすると、アッラーはその誰かを行為者より高くなさる。殉教者、高潔な教友、預言者たちの友としての地位をアッラーが我らに御与えになりますように。

おお、皆の者よ! 誠に、(金持ちであろうとも)親族とその手と舌の支援を必要としない者はひとりもいない。背後で支えてくれ、困難を追い払ってくれるのは親族だけである。災難が降りかかったときに誰よりも親切にしてくれるのは親族である。アッラーが人びとの間に保たせるのは、一人の人間の良き記憶であり、それは財産の相続より優る。




同じ説教より


 注意せよ! 近親の者が貧窮または窮乏するときにあなた方は援助をやめてはならない。  
援助を施さない時に増えることはなく、助けに費やして減ることはない。血縁者の援助を遅らせる者は片手でやるが、自分が助けを必要とするときは大勢の手でそうさせる。親族の情愛を永久に保持できるのは思いやりのある人である。




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