『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




アミール・アル=ムウミニーン・アリー・イブン・アビー・ターリブの文書、
敵に宛てた書簡、知事に宛てた書簡、役人の任命書、家族と教友への指示


書簡5 

アゼルバイジャンの知事・アル=アシュアス・イブン・カイス(アル=キンディー)に宛てた書簡 


誠に、あなたの任務はほんのひとかけらなのではない。あなたが背負っているのは大変な責任である。あなたの上司に代わって民衆を保護する責任を担っているのである。被支配者の抑圧はあなたのためにならない。自分への危険を冒して強力な基盤を約めてはならない。アッラーの所有物である公庫はあなたの手中にある。それは偉力偉大なる御方に属するもの。それをわたしに手渡すまでの責任がある。わたしはあなたにとって悪い支配者の一人にはなるまい。この件に関しては以上である。〈注〉


〈注〉アミール・アル=ムウミニーンが駱駝の戦いから解放されたとき、ウスマーン時代からアゼルバイジャンの知事だったアシュアス・イブン・カイス(アル=キンディー)にその領土の税収入を送らせるために書簡を送った。知事はこの手紙を受け取ると、主要な側近たちに手紙のことを話し、「この金を取り上げられるのではないか心配なのでムアーウィヤに加わるつもりだ」と話した。側近が親族を離れてムアーウィヤの許に避難するのは恥さらしな行為だと忠告したため、ムアーウィヤの許への逃亡は先延ばしにしたが、金を手放すことには同意しなかった。このことを知ったアミール・アル=ムウミニーンは、フジュル・イブン・アディー・アル=キンディーを派遣してアシュアスをクーファに連れてくるよう命じた。説得してクーファに連れてくると、装具の中に40万ディルハムがみつかり、アミール・アル=ムウミニーンは3万ディルハムを彼のために残し、残りを公庫に保管した。




00889.gif(1103 byte)  書簡6









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