『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




アミール・アル=ムウミニーン・アリー・イブン・アビー・ターリブの文書、
敵に宛てた書簡、知事に宛てた書簡、役人の任命書、家族と教友への指示


遺言書 

アミール・アル=ムウミニーンの財産の扱いについて
スィッフィーンからの帰還中に書いた遺言。


本遺言は、アッラーの僕、アリー・イブン・アビー・ターリブがその財産に関して指示するものである。アッラーの美徳により、天国に入らせ平安を与えられるようアッラーの御満悦を求めて。



同じ遺言書より



ハサン・イブン・アリーが相続を管理するものとする。適切な相続分を彼の生計分とし、喜捨に費やすものとする。ハサンの身の上に事が生じ、フセインが生存する場合には、彼がハサンに従って相続を管理するものとする。ファーティマの息子二人の慈悲の財産については、彼らはアリーのほかの息子全員と同等の権利を有する。アッラーの御満悦と神の使徒(彼とその子孫の上にアッラーの祝福あれ)に近づくために、また然るべき彼の名誉と血縁関係を考慮して、
ファーティマの息子二人による管理について定めた。

土地をそのまま保持し、命じられた通りに使用権を行使するのは、その管理者の義務である。土地の表面が植物に変わるまでは、これらの村の農園の苗木を売ってはならない。
わたしの管理下にある奴隷女子に子供があるか妊娠した場合、子供のために雇ったままにし、相続分の一部となる。子供が死亡して奴隷女子が生存する場合、彼女は自由の身となる。
奴隷の身分を解除して解放されねばならない。〈注1〉

〈注1〉アミール・アル=ムウミニーンは自らが労働者ならびに耕作者として暮していた。
他者の畑で働き、未耕作の、不毛の土壌を耕し、灌漑設備を整え、栽培できるようにして果樹園にさせた。これらの土地は彼の手によって耕作されたものなので彼の所有物であるが、土地を気にかけたことがなく、他者に信託して所有権を放棄していた。
だが、預言者との血縁関係を考慮して、第一の信託者をイマーム・ハサン、次にイマーム・フセインとして管理権を与えた。しかしながら、これ以外の権利は認めさせず、他の息子たちと同じように、その土地からは生活の糧のみを得る権利を与えた。残りはムスリムの公共利益および慈善目的に費やすよう命じたのである。イブン・ハディドが記している。       

誰もが知るように、アミール・アル=ムウミニーンはメディーナ、ヤンブ、スワイカで複数の泉を掘り起こし、不毛の土地を耕作できるようにさせた後、土地の所有権を放棄し、ムスリムに信託した。この世を去った時、彼は何も所有していなかった。(『シャラフ・ナフジュル・バラーガ』15巻、146頁)




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