『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




アミール・アル=ムウミニーン・アリー・イブン・アビー・ターリブの文書、
敵に宛てた書簡、知事に宛てた書簡、役人の任命書、家族と教友への指示


指示書25 

ザカートおよび喜捨の徴収者に任命された人へ書き記したアミール・アル=ムウミニーンによる指示書。アッ・シャリーフは語っている。「彼は常に正道の柱を建て、些細なことや重大なこと、微妙なことや深刻なこと、あらゆることで公正の模範を示された」 


唯一の御方、比類なきアッラーを畏怖して進みなさい。ムスリムを脅かしてはならない。
ムスリムの土地を通過して彼らが悲しむようなことがあってはならない。
ムスリムの財産からアッラーの取り分を超えた徴収があってはならない。
部族を訪ねる際は、家の中には入らずに、部族の水場に降りて行きなさい。
それから彼らと一緒に立つまで、温和に、気品ある態度で進み、挨拶しなさい。
いい加減な挨拶であってはならない。
それから「おお、アッラーの僕よ、アッラーの代理であるカリフに派遣されて、あなた方の所有物の中からアッラーの分け前を徴収させてもらうために来ました。 あなた方の所有物にアッラーの分け前となるものをお持ちですか? あればかれの代理人に渡してください」

「ありません」と言う者があった場合、繰り返して要求してはならない。
肯定の返事が戻ってきた場合は、脅したり圧力をかけたり悩ませたりすることなく、その人に
ついて行きなさい。金貨や銀貨など差し出されたものを受け取りなさい。その人が牛や駱駝を所有する場合は、許可なく入ってはならない。 彼らにとって重要なものは彼らの持ち物だからである。従って、その場に達したら、彼らを完全に支配したかのように、もしくは乱暴に、そこへ入ってはならない。 動物を恐がらせたり、からかったり、所有者を悲しませてはならない。

所有物は二分し、所有者にどちらかを選択させなさい。所有者が選択した後でそれに不服を言ってはならない。 それから残りを二分してどちらかを選択させなさい。選んだら異を唱えてはならない。これをアッラーの取り分が満たされるまで繰り返し、 アッラーの分け前を取りなさい。
あなたの行為に異議を唱える者がいればその意見を認め、二分したものを合わせ、アッラーの取り分を受け取るまで、 これまでの通りに繰り返しなさい。
老いてよぼよぼ、脚の折れている動物、病気または不健康な動物を受け取ってはならない。
動物(の管理)は、ムスリムの所有物の扱いに信頼できる者、後で分配してくれる首長にきちんと引き渡してくれる者以外に委ねてはならない。 幸福を祈る人、神を畏怖する人、信頼のおける用心深い人、ムスリムの財産を手荒く扱わない人以外に委ねてはならない。
また、動物を過度に走らせたり、疲れさせたり、酷使する人ではいけない。徴収した物はすべて我々の許に送り届けなさい。アッラーに命じられた通りに扱う。

動物を引き取ったあなたの信託者にはこう伝えなさい。雌駱駝を子駱駝と引き離してはならない。子駱駝への影響を考慮して、雌駱駝から乳をすべて搾り取ってはならない。
また、乗り過ぎないようにしなさい。この件に関しては、それ(動物)と教友全員の間で公正な行為をしなさい。 (疲れている)駱駝は休ませなさい。ひづめの擦り切れた駱駝にはゆっくりと乗るようにしなさい。 水場を通り過ぎるときは駱駝に水を飲ませ、植物の生えた土地から不毛の道に引き離してはならない。時々休ませて水と草がある場所で時間を与えなさい。 このようにすれば、アッラーの御許しにより我々の許にやって来たとき、駱駝にしっかりした髄と脂肪がついており、疲労したり苦しんだりすることはない。
この後、我々が神の書と預言者(彼とその子孫の上に平安あれ)のスンナに従って分配する。誠に、これはあなたにとって偉大な報酬の源となり、アッラーの御意思があれば、導きを確保するための手段となるであろう。




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