『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




アミール・アル=ムウミニーン・アリー・イブン・アビー・ターリブの文書、
敵に宛てた書簡、知事に宛てた書簡、役人の任命書、家族と教友への指示


書簡33 

メッカ知事・クスマーン・イブン・アル=アッバースへ 


西の間諜から報告があった。〈注1〉心が盲目、聾唖、視野に欠けた、一部のシリアの民がハッジに派遣された。彼らは真実を虚栄と混合し、アッラーに服従せず人間に服従し、宗教の名において現世の乳を求め、神を畏怖する高潔者の報酬を捨て、現世の享楽と交換した。善行を成すのは、それを行う者だけである。悪の報酬を受けるのは、悪を犯す者だけである。従って、義務を遂行する上では、知的で、経験豊かで、幸福を祈り、上司に従い、イマームに服する賢者のように振る舞いなさい。説明を要することをするのは避けなさい。豊かであるときに反乱してはならない。また苦難のときに勇気を失ってはならない。この件に関しては以上である。



〈注1〉ムアーウィヤは一般人を使って神の畏怖と敬虔さをみせかけることで、平安の場に騒ぎを起こすためにメッカ巡礼に人々を送った。そして彼らにアリー・イブン・アビー・ターリブが民衆を扇動してウスマーンに反乱させたと確信させ、最終的に彼の暗殺を成功させた。こうすることで彼らはウスマーン殺害の責任を彼に負わせ、民衆を彼に対抗させた。そして民衆にムアーウィヤの人格の偉大さ、品格、気前のよさを語り、自分の方へ仕向けた。しかしアミール・アル=ムウミニーンの使者の情報で、クサム・イブン・アル=アッバースに手紙を書き、彼らの動きを観察し、危害を撒き散らすのを止めさせた。




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