『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




アミール・アル=ムウミニーン・アリー・イブン・アビー・ターリブの文書、
敵に宛てた書簡、知事に宛てた書簡、役人の任命書、家族と教友への指示


書簡18 

バスラ知事・アブドゥッラー・イブン・アル=アッバースへの書簡 


バスラは悪魔が降り、害が発生する場所であることを知っておきなさい。この場所の人々をよく扱い、人々の心から恐怖心の結び目を解きなさい。

あなたがバヌ・タミーン〈注1〉に対して厳しく手荒く扱っていることは知っている。
バヌ・タミーンは、一つの星が沈むと別の星が出る、という風な人々である。
イスラーム以前もしくは以後の時代で彼らが戦術において度を越えたことは一度もなかった。
彼らと我々は特別な関係にある。血縁関係に注意を払うなら、我々は報酬を受け、無視するなら、罪を犯したことになる。おお、アブドゥル・アッバースよ、あなたの上にアッラーの御慈悲がありますように。あなたの民に関して、あなたの言行を自制しなさい。これ(義務)において我々は共に仲間だからである。わたしに良い印象をもたせることにより自身を改善しなさい。
あなたに関するわたしの見解をあなたの不正で証明させてはならない。この件に関しては以上である。



〈注1〉 タルハとアッ・ズバイルがバスラに到達した際、ウスマーンの血の復讐運動に活発に加わって一番に煽り立てたのがバヌ・タミーンであった。アブドッラー・イブン・アル=アッバースがバスラ知事に就任し、彼らの背信行為と敵対を見て、厳しく扱われるに値すると考えたのだった。しかし、この一族の中には少数だがアミール・アル=ムウミニーンの誠実な従者がいた。
彼らはイブン・アッバースのこのような行為を見て、アミール・アル=ムウミニーンにそのことを訴える手紙を送った。この手紙に関して、アミール・アル=ムウミニーンはイブン・アッバースに行為を改め、彼らをよく扱い、バヌ・ハシムとバヌ・タミーンの特別な関係に注視するよう指示した書簡を送ったのだった。特別な関係とは、ハシム家がムドリカ・イブン・イルヤースの子孫であり、タミーンはタービフ・イブン・イルヤースの子孫であるから、バヌ・ハシムとバヌ・タミーンはイルヤース・イブン・ムダルの代で繋がっていることを示す。




00889.gif(1103 byte)  書簡19









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