『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




アミール・アル=ムウミニーン・アリー・イブン・アビー・ターリブの文書、
敵に宛てた書簡、知事に宛てた書簡、役人の任命書、家族と教友への指示


書簡19 

役人の一人に宛てた手紙 


さて、あなたの市の耕作する人〈注1〉が、あなたが厳しく、無情で、扱いが屈辱的で、残忍だと訴えてきた。 わたしは熟慮して見い出したことがある。すなわち、彼らは不信心者であるから、近づかせても遠ざけても手荒に扱ってもいけない。彼らとの誓約があるからである。
彼らには厳しさと優しさの中間で接し、つき合い、そうでなければ、隔たりと距離を保ちながら
親しさをもってつき合うようにしなさい。アッラーの御意思があれば。



〈注1〉アミール・アル=ムウミニーンの役人の扱い方がムスリムに対するそれとは異なったのは、マジュース(拝火教徒)だったためである。彼らはこの扱いに反感を抱き、このことを訴えるためにアミール・アル=ムウミニーンに手紙を送った。その手紙に対して彼は役人に書簡を送り、厳しすぎず、寛大すぎずに扱うよう指示した。情け深くすると彼らは害を及ぼし、政府に策略し、次々と悪影響を及ぼして国家運営の邪魔をするかもしれない。一方、完全に弾圧的な政策を正当化することはできない。彼らが被支配者の一員であることは無視されてはいけないからである。




00889.gif(1103 byte)  書簡20









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