『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




アミール・アル=ムウミニーン・アリー・イブン・アビー・ターリブの文書、
敵に宛てた書簡、知事に宛てた書簡、役人の任命書、家族と教友への指示


遺言状47 

(アブド・ル・ラフマーン)イブン・ムルジャム(彼の上にアッラーの災いあれ) から致命的な剣の襲撃を受けたとき、イマーム・アル=ハサンとイマーム・アル=フセイン(彼らの上に平安あれ)に宛てた遺言


あなた方二人に忠告する。アッラーを畏怖しなさい。現世が追ってきても現世(の享楽)に憧れてはならない。この世のものを拒まれても残念がってはならない。真実を語り、報酬を望んで行為しなさい。抑圧者の敵となって虐げられた人々の援助者になりなさい。

   あなた方二人と、わたしの子供たち全員、わたしの家族、わたしのこの書簡に到達したすべての人々に忠告する。アッラーを畏怖されよ。あなた方の身辺(の物事)を健全に保ち、あなた方の間に良い関係を維持しなさい。なぜならば、わたしはあなた方の祖父(聖預言者−彼とその子孫の上に平安あれ)がこう言われたのを聞いたからだ。「互いの相違を改善することは、礼拝と断食よりも良い」

アッラーを畏怖せよ。孤児に関してはアッラーを心に留めておきなさい。彼らを飢えさせてはならない。あなた方がいるのに彼らが破滅してはならない。

アッラーを畏怖せよ。あなた方の隣人に関してはアッラーを心に留めておきなさい。なぜなら、隣人は預言者の忠告の対象だったからである。隣人が相続者として認められているのではないかと思われるほど、預言者の忠告は常に隣人に好意的であった。

アッラーを畏怖せよ。クルアーンに関してはアッラーを心に留めておきなさい。それに基づいた行為で、あなた方を超える者はいない。

アッラーを畏怖せよ。礼拝に関してはアッラーを心に留めておきなさい。それはあなた方の信仰の柱である。

アッラーを畏怖せよ。主の家(カァバ)に関してはアッラーを心に留めておきなさい。あなた方が生きている限り、そこから去ってはならない。放棄すれば、あなた方は容赦されないからである。

アッラーを畏怖せよ。ジハードに関してはアッラーを心に留めておきなさい。あなた方の財産と生命と舌がアッラーの道のために助けとなるように。

血族を尊重し、他者のために費やしなさい。互いの顔を背けたり、互いの関係を絶ったりすることがあってはならない。害を与える者があなた方に対して有利な態勢をとらぬように、善を命じ、悪を禁じるのを諦めてはならない。さもなければ、あなた方が祈っても、祈りは聞き届けられないだろう。

その後で彼は言った。
おお、アブドル・ムッタリーブの息子たちよ、確かに、わたしはあなた方がアミール・アル=ムウミニーンが殺されたと叫び、ムスリムの流血に陥るのを望まない。用心しなさい。わたしを殺した本人以外を殺してはならない。

 彼(イブン・ムルジャム)の一撃でわたしが死ぬまで待ちなさい。その後で、彼の一撃に対しての一撃を加えなさい。この男の遺体をばらばらに切断してはならない。神の使徒(彼とその子孫の上に平安あれ)がこう言われるのを聞いたからだ。「狂犬であっても死体の切断は避けなければならない」




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