『あなたがた信仰する者たちよ、アッラーを畏れ、(言行の)誠実な者と一緒にいなさい』

(クルアーン第9章119節)




 ナフジュル・バラーガ Nafj Al−Balagahah
   ---イマーム・アリー・イブン・アブー・ターリブの説教、書簡、格言集 ---




アミール・アル=ムウミニーン・アリー・イブン・アビー・ターリブの文書、
敵に宛てた書簡、知事に宛てた書簡、役人の任命書、家族と教友への指示


書簡3 

クーファのカーディー(裁判官)・ シュライフ・イブン・アル=ハーリス(アル=キンディー)
への伝言


クーファの裁判官だったシュライフ・イブン・アル=ハーリス(アル=キンディー)はアミール・アル=ムウミニーンのカリフ在位中、80ディルハムを使って家を購入した。このことをアミール・アル=ムウミニーンが知った際に使者を派遣してこう述べたとの報告がある。

80ディルハムで家を購入し、その書類を用意し、証人に署名させたことを知った。

シュライフが返答した。
はい、信者の司令官よ、その通りです。

アミール・アル=ムウミニーンは怒った顔で彼に言った。

おお、シュライブよ、警告する。まもなく、ひとり(死の天使)があなたの許にやって来るであろう。彼は書類を見ない。あなたの言い分を問うこともない。しかし、遠くへ連れて行き、墓場の中に孤独に入らせる。見よ! おお、シュライブよ、自分のものでない金を使ってこの家を購入したか、非合法なるもので支払ったのであれば、現世はもちろんのこと来世での損失を招いたのである。購入時にわたしの許に来ていれば、ここにその文書を記して渡したのだったが。わずか1ディルハムであっても買いたいとは思わなかっただろう。その文書とはこうである。

これは(来世に)旅立つ準備のできた神の僕から謙虚な神の僕の購入に関するものである。
買い手は生命に限りある人間の地、消滅に陥る人々の場所にて、虚偽の家を購入した。
この家には四つの境界線がある。第一の境界線は災難の源に隣接。第二の境界線は苦境に隣接。第三の境界線は破壊的な欲望に隣接。第四の境界線は人を惑わす悪魔と隣接。家の扉はその方角に向けて開く。

この家は、満足という名誉を捨て、欲と屈服という不名誉の価格で、死に追われている者から欲望に待ち伏せされた者によって購入された。買い手が本取引で何らかの(悪い)結果に遭遇した場合、買い手は君主組織を廃止させ、独裁者の命を奪い、ホスロー、ローマ皇帝、トッバウ、ヒムヤ、並びに、富という富を貯めこんで増やし続け、高級な家を建設して装飾し、公庫を集めて保管する、自分勝手に主張するあらゆる者たちの支配を排除する役割を担う。子孫が彼らを精算と判定の場、報酬と懲罰の場所に連れて行くからである。判定が下されるとき、虚偽に従った者たちは滅びる。(聖クルアーン40章78節)

この文書は、欲望の足枷から解放され、現世の装飾品から離れたときの知性を、証人とする。




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